五つ星をさがして

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初五つ星!  三島由紀夫「豊穣の海」四部作

「豊穣の海」四部作。初五つ★。  

つい最近三島由紀夫の小説を書く時のポリシーは「品位」と「格調」だったと新聞で目にしました。確かに。どんなにえろくグロい設定で描いていても難なく目くるめく美しさに見せてしまう魔法のような文章です。浮かんでる雲の描写に1ページかけていて驚いた事がありますが、その装飾過多に見える文章のすべてが内容に関係しているのを発見して更に驚いた記憶があります。  

特に私は三島ファンではないのですが(笑)夫が好きでして、ほとんどの小説を持っていて、よくお薦めされるせいで一番たくさん読んでる作家かもしれません…。ちなみに夫の師匠は小説は三島、映画は黒澤です。  

輪廻転生を題材にしているというとちょっと引きそうですが、その時代や背景に流され抗って生きる人間ドラマ、心理描写にひきつけられます。  読む年齢によっては人生感が変わるかもしれません。私は歳をとり過ぎました…。でもまた10年後に更に10年後に読んでみたい本です。

 

春の雪
春の雪 三島 由紀夫

新潮社 1977-07
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おすすめ平均 star
star読まないと損をする一冊?
star輪廻転生
star天才の描いた禁断の恋

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明治末期の華やかな貴族の美しくも屈折した悲恋の話。 プライド高い傲慢な清顕と清らかでしたたかな聡子の一挙一投足が、嫉ましくも美しいです。 障害に燃え上がり、破滅に転がってゆく恋。 一番読みやすく夢中になれる巻だと思います。

 

奔馬
奔馬 三島 由紀夫

新潮社 1977-08
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おすすめ平均 star
star「わかんない、でも先が知りたい!!!」
star若者の思想
star文学少年身を滅ぼす

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暁の寺
暁の寺 三島 由紀夫

新潮社 1977-10
売り上げランキング : 37946

おすすめ平均 star
starちょっと難しいけれど…
star転換点
starはっきり言って

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*内容*「暁の寺」はエキゾチックな色彩的な心理小説。各巻20歳で夭折する主人公は、すでに第一巻の貴公子から第二巻で愛国少年に、さらにこの巻ではタイの王女月光姫へと生れかわった。

 

天人五衰
天人五衰 三島 由紀夫

新潮社 1977-11
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おすすめ平均 star
star三島氏最後の作品
star完結
star「文学から宗教に送られた優美な挨拶」

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豊饒の海第4巻、完結編。天人五衰とは、天上界に住むという天人の長い寿命が尽きるときに表れる、五つの衰えの相のことだそうです。  

60年を経て本田が会いに行った聡子の登場のシーンがとても印象的です。 若く美しかった顔と清らかに老いた顔。それは今木漏れ日の中を歩く聡子の日陰の顔と日向の顔というくらいの違いしかないのではないか。そしてその木漏れ日の橋を渡るわずかな間に60年が過ぎてしまったのではないか。  

そして今までの生まれ変わりが情熱が歴史が、覆されるようなラストシーンはショックでした。すべては本当に夢だったのか、それとも老いがそう見せる幻想なのか?  

三島由紀夫の小説はどれも当たり外れがなくて凄いですが(好きじゃないのもあるけれど)、死ぬ直前まで書いていたこの4部作は特に読んで損はないです。

★★★★★


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