タニス・リー「銀色の恋人」表紙はあれだけど、重厚な恋愛ＳＦ。４つ星。

銀色の恋人 (ハヤカワ文庫SF)
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内容（「BOOK」データベースより）シルヴァー―エレクトロニック・メタルズ社が試作した人間そっくりのロボット。とび色の瞳に赤褐色の髪、銀色の膚をしたシルヴァーはギターをつまびき、ありとあらゆる歌をかなでる。ひとびとは心を揺さぶるその歌をきそって聞きたがった。だが、たったひとつエレクトロニック・メタルズ社にとって誤算が生じた。シルヴァーに恋する少女が現われたのだ!物語の名手が紡ぎだす、少女とアンドロイドとのSFラブロマンス。

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このカバーはあんまりだという意見はもっともだけど、私が高校生の時買ったのも「観葉少女」の川原由美子だったので、慣れてます…。でももうちょっとよかったけれど。少女漫画家の絵を使うというなら他のタニス・リーの文庫の表紙のように萩尾望都にしてほしかったなー。川原由美子も「観葉少女」にはぴったりな可愛らしい絵柄なんですけどね。　

主人公が住んでる家の造詣といい、夜の街の美しさといい、ＳＦがひとつ格上げされてるような豪華な描写にまず参りました。当初ＳＦといったらスターウォーズだったから。ブレードランナーはなかなかな背景でしたけど。主人公のトモダチも個性的で。何よりもうシルバーが魅力的に描かれてる。エキセントリックな少女らしさでシルバーを振り回す主人公も魅力的。最初のほうでシルバーが空を行く船を見上げるシーンなんか、主人公に同調してどきどきしたシーン。たしかイラストで描いたなあ。　

恋愛物とはいってもタニス・リーの重厚なやつだから、表紙買いした女の子はびっくりするだろうな。嫁入りしても引っ越してもまだうちにある文庫です。だまされたと思って読んでほしいです。おすすめ！（…夫には一生お勧めしませんけどね（笑）

★★★★☆

↓タニス・リー他のおすすめもの。ずっと見かけなかったけれど絶版になってたのね。うちにあるからいいけど。レヴューで書かれてる方がいるけれど、本当に宝石のように描写が綺麗！耽美！（ここから入ったのだけど（笑）

なるほど、本当に心から溢れる物語をただ書いてるよう。構成力は甘い。でもあまりに華麗で見たこともない世界の描写にきっと酔いしれます。

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