湊かなえ「少女」「告白」
少女 (ハヤカワ・ミステリワールド) | |
早川書房 2009-01-23 売り上げランキング : 44595 おすすめ平均 心理描写は良いけども 本を読む順番で印象が異なったかも 因果應報 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容紹介 高2の夏休み前、由紀と敦子は転入生の紫織から衝撃的な話を聞く。彼女はかつて親友の自殺を目にしたというのだ。その告白に魅せられた二人の胸にある思いが浮かぶ――「人が死ぬ瞬間を見たい」。由紀は病院へボランティアに行き、重病の少年の死を、敦子は老人ホームで手伝いをし、入居者の死を目撃しようとする。少女たちの無垢な好奇心から始まった夏が、複雑な因果の果てにむかえた衝撃の結末とは?
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今時女子高生の言動や、ちょっとばかりご都合な主義な偶然の連続に、つい油断してましたよ。隅々にまでにリンクが伏線が張られていて最後までびっくりさせられました。
粗筋からすると少女が好奇心からの死をみたいという行動に因果応報があるのかな、少女に天罰が?と軽く考えてましたが、確かに色々人間模様があって複雑な因果応報でした。最後まで気が抜けません。裏サイトとか、見なければいいし気にしなければいいと思うけれど、ついつい見てしまうだろうし渦中の中高生には重大な事なのかも。
いろんな人にリンクしてる因果応報もおもしろかったけれど、少女どうしの隠れた友情が最後にちゃんと実るところがよかったな。相手のことをちゃんと助けてあげたいと思っていても面と向かって言えないし、面と向かってだと相手だって忠告をきいてくれない。少女じゃなくてもそんなもんですよね。しかしその主人公たちもしたたか。最後は仲間になりかけてた「死をみたことを自慢にしてた」友達まで父親の罪によってのいじめで突き落とされる。でもその「死」とはいじめていた友達の死だから、まさに因果応報。
★★★☆☆
告白 | |
双葉社 2008-08-05 売り上げランキング : 2071 おすすめ平均 人それぞれ 一石を投じる意味で☆5 中3からしてみれば Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容紹介 我が子を校内で亡くした女性教師が、終業式のHRで犯人である少年を指し示す。ひとつの事件をモノローグ形式で「級友」「犯人」「犯人の家族」から、それぞれ語らせ真相に迫る。選考委員全員を唸らせた新人離れした圧倒的な筆力と、伏線が鏤められた緻密な構成力は、デビュー作とは思えぬ完成度である。
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面白くてどんどん読めます。一話づつ完結してるのもいいし、主人公が変わるごとに謎が解けるのも痛快です。内容が内容なだけでなく、数々の出来事がいちいち桐野夏生なみに後味が悪いです(笑)
二話目以降は本当に蛇足ではあるけれど、ワイドショーのノリで「へえ~」と興味深々で読めます。大人が読むエンターテイメントだと思えばいいかも。
ただ、滅多に読書しない娘には読ませたくないです。「これは」という糧になるものだけ勧めてます。たくさん本を読んでる子になら、「こんなのもあるよ~」と見せるのもいいかも。誰にでもすすめられる本を本屋大賞にしてほしいな。
★★☆☆☆
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