岩井志麻子「べっぴんぢごく」女は美人か不美人かが男の何十倍もの影響力を持つけれど
べっぴんぢごく | |
新潮社 2006-03-18 売り上げランキング : 530222 おすすめ平均 時間軸は面白かった ほんとにぢごくなのかなぁ Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容(「BOOK」データベースより) 母を惨殺されて天涯孤独になった乞食のシヲは、村一番の分限者の養女となった。「ぼっけえべっぴん」と賞されたシヲだが、シヲの娘・ふみ枝は似ても似つかぬ醜女で、さらにその娘・小夜子は男を狂わす妖艶な美少女、そして初潮をむかえたばかりの小夜子が産んだのは、もはや“人とは呼べぬ”ものだった―。「書いてはいけないものを、書いてしまった」作家・岩井志麻子にそう言わしめた、女という生き物の哀しみに臨界点まで迫る暗黒大河小説、ついに登場。 内容(「MARC」データベースより) 美しければ愛されるのか。醜いだけで不幸なのか。女は誰も、この地獄から逃れられない-。美女と醜女が交互に生まれる岡山の旧家を舞台に、女系家族の憎悪の歴史を描いた、女の哀しみに臨界点まで迫る暗黒大河小説
*★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*
和風ホラーファンタジーという感じの始まり。出来すぎている設定も、読んでいると話の渦の中に引きずり込まれて行って、気にならなくなります。
シヲのあまりに貧しい乞食の暮らしと、その父母の死にざまが陰惨。行き倒れて死んだ人が葬られる場所の近くの、嫌な風が吹いていそうな四つ辻の描写がすごく怖かった。
序盤の迫力があまりに凄くて、だんだん尻つぼみといった風に見えてしまうのが残念。…だんだん、どろどろさに慣れてきてしまうのもあるけれど(笑)
曾祖母になってまで美しいシヲがやっぱり一番凄いのかも。血が薄れていくように因縁も薄れてゆき、話も薄れてゆくのね。
女は美人か不美人かが男の何十倍もの影響力を持つので、不美人に生まれるとかなりの割合で不幸。「べっぴんぢごく」という題名だけれど、心がけを良く&用心することで、べっぴんさんは楽しい人生も送れそうです。ただ、この小説のべっぴんさん達は、ちょっと精力的すぎるところが禍を呼ぶのかも。何事もほどほどが幸せな道ですね。
★★★☆☆
ぽちっと!
にほんブログ村
スポンサーリンク
☆参加してるトラコミュ
本・感想・評論・レビュー |
今日の読書日記 |
書物、書籍、本 |
長編小説、ノベルシリーズ |
ミステリ・サスペンス・推理小説全般 |
読書好き集まれ~ |
読書感想文 |