五つ星をさがして

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永井するみ「ダブル」

ダブル (双葉文庫)
ダブル (双葉文庫) 永井するみ

双葉社 2010-02-12
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おすすめ平均 star
star面白かったです!
star心理
starハラハラの心理劇

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内容(「BOOK」データベースより) 被害者女性の特異な容貌から注目を浴びた轢き逃げ事件、痴漢の容疑をかけられた男の転落死、色呆け老人が飲んだ薬物入り缶コーヒー騒動―同じ地域で起こった三件の未解決事件には、ある人物の姿が見え隠れしていた。謎を追う女性ライターは次第にその人物に魅入られていく…。彼女が辿り着いた真相とは。

*★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*  

ダブルってそういう意味もあったのね~と、どんでん返しに感心しました。永井さんは、じっくり感情を描くのが得意だから、その辺は迫力ありました。  

女性が描く女性は本当に真に迫ってるだけに怖いです。男性の描く女性はどーしてもファンタジーな感じになってしまうから(笑)仕方ないですよね、想像に頼る部分がたくさんあるし、理想や幻想もあるし(その逆もあり)でも男性の描くほんわかした女性は好き。どろどろしていても優しい部分があったり。(母親の印象かしらん)最悪や女性もどんどん描いてほしいけれど、それとは別に男性のご都合主義な女性はぺらぺらなのでつまらないですね。  

ミステリーみたいのも書くのか~と新鮮に読み始め…不快な人っているけど殺意までは隔たりがあるよね…と思いつつ。ミステリーとしてはあまあまだけれど、感情の起伏と小道具が効いてるので無理な設定でも面白く読めた。多恵が嫌悪感をあんなに簡単に共感してしまうのは、最後のためだったのね。「不快感を与える殺された人達。多恵も嫌悪感を覚えたけれど、一歩下がってみるとまるで違った風景が。そのまわりには殺された人を心配してる人、残念に思ってる人がいる。」というところ。人の事、大抵自分の立場からしか見られない。周りの人それぞれの見かたがある。皆が迷惑に思ってる人にも大事に思う人がいる。

一歩くらいは下がれるかもしれない、心がけよう。何かを教えてくれる小説はいいですね。

★★★☆☆


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