「家のロマンス」加藤幸子さん、46歳で新人賞ですってよ。「本でできる素晴らしい体験があるのに、どうしてちっぽけな現実の体験をせねばならないのかと思う。 」
家のロマンス | |
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内容(「BOOK」データベースより) 祖母が語る家の過去、孫娘が築く家の未来。時を超え連鎖する生の物語
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加藤幸子さん、46歳で新人賞ですってよ。漫画と違って小説の世界はデヴューが遅くてもいいのね。むしろ遅いほうが人生経験積んでいいものが書けたりするのかも。漫画はいかに読者に近いかが勝負だからね~。
祖母ミヤは子は8人も産んだけれど、家を切り盛りしてくれる母のおかげで、広い家(夫が学者のため)の中に閉じこもり、本を読んでいるだけでよかった。・・・羨ましいが、8人も産んだ時点でもう偉いと思う。でも子育てはお母さんがやってくれちゃったのね。そして嫁などに、そんなんで人生楽しいのかと思われていても、本でできる素晴らしい体験があるのに、どうしてちっぽけな現実の体験をせねばならないのかと思う。 8人の子供たち家族は戦争も無事生き延び、大体が広い実家のどこかの部屋に暮らす。(4~5組?よっぽど実家が気に入ってるのか、金がないのか?両方か)そして祖母が死に、遺産相続でだまされたり勝ち取ったり別の家へ散ってゆく。
似ているところのある読書好きの孫のヨシノに、この家の記録を受けついでくれと願って死ぬ。が、ヨシノは家に縛られない生き方を望む。「記録は虫たちに与えよう。それからわたしは犬といっしょに旅に出るのだ。雨の滴や、まぶしすぎる日射しをよける傘を忘れずに持っていこう。骨たちは必ずどこかに埋もれるが、その名もない場所を家と呼ぶのはわたしの勝手だ」ヨシノは読書好きは似たが、家に執着するタチではなかったようだ。 ★★☆☆☆
池辺の棲家のほうが好きでした。以下。
池辺の棲家 | |
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内容(「BOOK」データベースより) 都会の片隅にある池のほとりで、いきものたちと共にめぐる季節と満ちてゆく人生の時間―。いのちの連環を描く秀作短篇連作集。 *★*――――――――――*★**★*――――――――――*★* しょっぱなの烏との会話で、ファンタジーなのかしらんと思ってしまった(笑)歳をとっても、こんなに感受性豊かに生活できるなんて羨ましい主人公。 池の近くなのでしっとりと湿っていながらも清らかな風が吹いてるような感じの連作。現実の厳しい事も主人公に係わると切なくも夢のある出来事に変わってしまう。いつまでも夢見がちな少女のような。でもちゃーんと堅実に仕事もこなしてる。池にくる野鳥の描写が可愛らしい。 畠中恵さんの小説で心が乾いたところで加藤幸子さんで潤った感じ。世俗から離れて。読書も好みってあるから。でもたまに毒にあてられるのも好き。(真梨幸子とか桐野夏生とか)世俗的で更に毒にも薬にもならない小説は嫌ですねぇ。 ★★★☆☆
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