角田光代「かなたの子」暗闇、死、罪、許し、こども。
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なにげない日常の隙間に口を開けている闇。それを偶然、覗いてしまった人々のとまどいと恐怖。夢とうつつの狭間を描く傑作短篇集。生れるより先に死んでしまった子に名前などつけてはいけない。過去からの声があなたを異界へといざなう八つの物語。
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私と同い年。でも早稲田出で優秀なのね。早稲田らしき大学がよく舞台になってます。そんな今までの青年~中年群像が印象的だった今までの作風(「対岸の彼女」「ロック母」とか)とは、違ってきたこの頃。
「おみてゆき」地下でミイラ化してゆくお坊さんの様子を見に行かねばならない怖い体験。でもそれより何が怖いかって、手を伸ばした姿(助けを求めて苦しんで)で出されたお坊さんには「ご利益が望めない」と、吊り下げ燻しながら、車座で酒を飲む男達・・・・( ̄□ ̄;)
「同窓会」小学生の負った罪。トランクに入れたまま怖くなって行かなくなり・・・もっと怖い事になるのに。今もそんな事件がありますね。
「闇の梯子」暗い梯子の上の部屋を見る時点が言費版怖いね。
行ってしまって見てしまえば、恐怖は現実のものとなり恐怖心は遠ざかっていく。
「道理」もっと怖い事期待してたのに。
「前世」昔は皆こうして口減らしをしていたのだろう。怖くて悲しい。今の世の日本に生まれて産めて本当に幸せな自分を噛みしめる。
「わたしとわたしでない女」暗闇からずっと見られてる状態って嫌だねえ。双子で死んでしまった妹だなんて。でもそれも老いて幻想へ・・・
「かなたの子」電車に乗ってゆくシーンがまるで千と千尋のよう。賑やかな町を通り
、たどり着く入り江。亡くなって生まれた子に風車など持ってきて供える。その駅を降りた所がお祭りのように幻想的。乳白色の灯り。赤ん坊の声や足や。
「巡る」母にされた嫌な音はしない母になろうと努めるが、離婚し働き育児にも疲れ、破滅したらしい主人公。今は仲間とともに山へ登っている。帰りはうんと長い。取り返しのつかない事をした者が、許されるには長い時間がかかる。
どれもゾクゾクして怖くて暗かったけれど、「前世」が一番怖く、辛かったです・・・・(T-T)
どうも、辻村深月かぶってきたような?更に上をいくような気がします。(悲惨さ不気味さ)
★★★☆☆
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