五つ星をさがして

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乙川優三郎「逍遥の季節」芸の虜、芸のほうが大事。男は必要なし。

逍遥の季節 (新潮文庫)

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内容(「BOOK」データベースより) 早くに両親を失い、同じような出生の二人は、幼い頃から互いを支え合ってきた。紗代乃は活花、藤枝は踊りを生き甲斐にして。だが、いつしか二人は、一人の男に翻弄されていた(表題作)。子を置いて離縁し、糸染に身を捧げる萌に所帯を持とうと言い寄る男が現れる(「秋草風」)。三絃、画工、根付、髪結…。人並みの幸福には縁遠くても、芸をたのみに生きる江戸の女たちを描く芸道短編集。
*★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*

すべての短編が、手に職や才能を持って、悩みつつも強く生きる女性が主人公。江戸時代の女性って、もしや現代の女性より自立してる人が多かったのかも?芸を第一に、男や家庭は二の次の女性たちが、頼もしい!

でもその時代特有の厳しさ、悲しさも描いてあります。

印象に残ったところ。

「三冬三春」弟子のひとりの阿仁(まだ22歳!でもこの時代だとどうなの・・・?)師匠は弟子の絵からいいものだけ選んで自分の印を押す。自分の絵を描きたくなってくる阿仁。完成間近に、「清水の湧くような音をきいた」←創作の大変だけどやみつきになるところだね。

「夏草雨」根付の作品の素晴らしさが目に浮かぶようです。一つの木から彫っていくのに中に卵を残していたり!「目にした瞬間の同期まで覚えている」という作品。

「秋草風」ひな細工師と染糸師の二人。夫婦になると世話をやけずに破たんするので、きままに仕事をする男女のままの二人。いいねえ。二人とも結婚で失敗してる。相手が「人生や心を豊かにするものとは無縁」だったり、「趣味がなく、分かち合える夢や情緒がなく苦し」かったらしい。好きなもののない人生は淋しいし、そういう人と暮らしていくのは、空しそう。一人よりもっと淋しそう。

 

「逍遥の季節」表題になっているだけあって、一番清々しく美しい短編でした!

生け花と舞踊の世界。

春の庭で、少女の頃に木陰でお気に入りの踊りを教えてもらったりした懐かしい情景。

いろいろあって、歳を重ねて芸に貫禄を増した二人、最後の場面の春の庭で再び「踊りましょうか」「私が少将に懸想する老女、あなたは小町、勘弥が少将なら燃えるわねえ」

やはり二人も芸の虜で、芸のほうが大事。男(勘弥)は必要なし。

 

 

 

 

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