五つ星をさがして

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「消滅世界」村田沙耶香 オタクにとっては、すごく羨ましい世界かも

消滅世界 (河出文庫) [ 村田 沙耶香 ]

 

【内容情報】(「BOOK」データベースより) セックスではなく人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。そこでは、夫婦間の性行為は「近親相姦」とタブー視され、「両親が愛し合った末」に生まれた雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。清潔な結婚生活を送り、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園で一変する…日本の未来を予言する傑作長篇。 *★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*

人間と恋する人は少数派になり、架空のキャラクターと恋に落ちる世界。

オタクには羨ましい世界かもしれませんね。私も人に恋した覚えがないので羨ましいです。

結婚してもしなくてもいいし、恋もしてもしなくてもいい。なんという自由。

夫婦間では近親相姦になってしまうという感覚も、新婚から遠く離れた今ではよく理解できる。(いや、子供が生れた時からかな)

 

ただ、アニメやファンタジー世界の恋人が多いので、もっと大人の架空の(cg?)恋人も登場してくれるとよかったな。

主人公の雨音は母の呪縛のせいか、生まれつきか、恋多き女性。人間とも架空の恋人とも。

後のほうで、ポーチに歴代の恋人たち(あっちの世界のキャラクターのキーホルダーや切り抜きパック)が40コも入っているのを、眺めて、今までの恋のおかげで豊かになった来し方を振り返るところ、うっとり。

雨音の美人の友達樹里のセリフがすがすがしくて好きです。

(雨音が、自分の両親は交尾して私を産んだの、気持ち悪いでしょ。母の呪いのせいで、私は人とも恋愛するし・・・・と弱音を吐くのに向かって)

「今のあなたがすべてよ。正しい世界なんか100年前と100年後じゃ変化してる。

私たちは進化の瞬間なの。いつでも途中、体もクロマニヨン人から、どんどん変化していって、それに付随する魂やら脳やらなんて、もっと容易く変化してる。

正しさなんて幻影なのよ。」

↑↑ これ、主題みたいですね!試験にでるところ?d(・∀・)

こんな風に考えられれば、不安や悩みなんて半減するのにねー。

 

ネタバレありです。

 

雨音の、結婚した後の人間の恋人、水人のセリフも、現代の世の中でも頷けます。

「テレビや漫画からいつの間にか、性欲や恋愛感情の種を植え付けられてるんじゃないかな」

「経済を動かすための陰謀なんじゃないかな」

うんうん、人と恋愛した事のない私にはそうとしか考えられないわー。

 

その後急展開。展開が早いというか、小説世界の中の人間たちの進化が早すぎて追いつけません!!(;・∀・)

夫とだけは意思が通じ合っていたと思っていたのに、千葉県にできた実験都市に行くところから、変化が甚だしい。

実験都市とは!!

男女とも受精卵をもらって、子供を孕むことが出来き、全員が、そこで育てられている「子供ちゃん」たちの「お母さん」になるという、楽天計画。

 

恋も生殖も、夫婦で人工授精も、どんどん時代遅れになってゆく・・・・・

ラストシーンは衝撃の子供ちゃんとの交尾シーン。

母の呪いは効いていたということか?

でも恋愛ではないので、全く効いてはいなかったのかもしれない。

そして母は長年の呪い虐待の報復に飼われている模様・・・・自業自得ですね。

★★★☆☆

 

 

 



 





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