ピュアなホラー　伊島りすと　　「ジュリエット」「飛行少女」

ジュリエット
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＊内容＊ゴルフ場跡地の管理の職をえて南の島にやってきた親子3人。島に伝わる"魂抜け"の儀式を偶然目撃してしまった彼らの周りで不思議な出来事が起こり始める……。ホラーの領域を更に広げたと言わしめた大傑作、登場！

ホラーと銘打っているので、けっこうグロで怖いシーンもあります。（しょっぱなから結構ショッキングなシーンなので後はどってことないかも？･･･いやいやでも怖かったシーンもいろいろあった･･･）

ホラー＆ミステリなので、かなりわくわくどきどき読めました。　そしてルカとミステリアスなフミオとの交流（淡い恋心？）がみずみずしくて、そして秘密が明らかになってからはとても切なくて、よかったです。

家族がそれぞれ持つ死の思い出が、優しい作用ではなく、本人が思う通りの残酷な現象としてだけ起こってしまうのが、ちょっと寂しかった。死者の側からすれば、すべて許していて優しい気持ちで見守ってるかもしれないのに。 ★★☆☆☆

飛行少女上
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＊内容＊パラコートを大量に飲み自殺を図った少女は、自分がかつて治療をした少女に瓜二つだった。そしてアメリカ留学から帰国した姪の顔も…。彼女たちの共通項は16歳という年齢。女医・立花麗火はこの謎を調べ始める…。未だかつてない新たなる物語の誕生。注目の新鋭が放つ、新感覚のファンタジック・ホラー。　

第二次世界大戦で３つめの原爆が落とされた設定になっているＳＦ的設定。思わず本当の事かと錯覚してしまう描写力にぐいぐい引っ張られて読ませます。　

謎が謎を呼び、どんどん壮大な話になってゆくのですが…最後はなんとなく終わってしまい残念でした…。ファンタジーと言ってしまえばそれまでなんですけど。ファンタジーが科学的根拠に結びついたら嬉しかったなあと。　

ただ、それぞれ戦争を体験してトラウマになってる人達の話が心にせまってきて、その後頭から離れませんでした。　

そして、当時空を見上げていて、原爆を止めなくちゃいけない…！と願った無垢な少女の想いが少年少女たちを同じ顔にさせ、羽を生やさせたことには感動しました。 ★★★☆☆ 　

飛行少女下
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