石田衣良「愛のいない部屋」 表紙はベッドですが男女以外の愛も。ダサクサから成長!
愛がいない部屋 | |
石田 衣良 集英社 2005-12 売り上げランキング : 61090 おすすめ平均 洒脱な短編集、、にとどまらず 何も変わらないことこそ現実 高層マンションの窓だけ、異なる愛がそこにはある Amazonで詳しく見る by G-Tools |
*内容*都心に暮らす男女、それぞれの愛のかたち。 35歳目前にマンションを買う決意をする独身女性、出会ったばかりのルームメイトに恋心を持つ女、出会い系サイトで知りあった男と情事を重ねる主婦…都心に暮らす男女の心の隙間を描く恋愛小説集。
*★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*
石田衣良さんの本はたくさん読んだし、もういいかなーと思いつつも選ぶ時間がなくて、ついつい手にしてしまった一冊。当たりでした。わー、これからもまた石田さんの本を読もう。多作家だから嬉しい。
石田さんの恋愛ものはちょっとダサクサかも…と思ってましたが。作家って成長するのですね!それも凄い成長を遂げてます。作者を知らなかったら名前から30代~の女性作家を想像してたと思います。そのくらい、女性の身の回りの小物や慣習やしぐさや心の揺れが繊細に描かれてます。 10種類の様々な「愛」。表紙はベッドですが男女以外の愛も。
特に印象深かったもの。
「夜明けの部屋」こんな壁紙があったらうちにも貼りたいなー!と。
「ラプンツエル」(タイトルうろおぼえ)母親にサエナイ自分ばかりをインプットされてしまった30代の女性。最後にさえない部屋とくたびれてるけれど、自分のことをよく理解してくれてる王子様が残ったというのがもう。感涙ものです…!
「ホームシアター」そうそう、外に出てがんばるのもいいけれど、自分に合った世界でがんばればいい。いや、がんばらなくていいのだ。
題名忘れたけど、未熟児で生まれた子をもてあましてる翻訳家のお話。「誰しも一度はこの子が地上から消えてしまえばいいのに、と思い、そしてまた自分の命と引き換えに助けてほしい、と思うことだろう」という文章が…。地上から消えたらいやだけれど、目の前から消えて欲しいと何度思ったことか。ちょっと楽しいおもちゃを渡して隣の部屋へ行けるだけでうきうきとした気分になるんですよね。家で24時間子供と向き合ってた息苦しさを思い出しました。
「愛のいない部屋」怖い。うちもたまに鬼気迫る顔で喧嘩してしまうけれど今のところ手は出てない。その辺の物が壊れたことはあれど、なかなか暴力には結びつかない人が多いかと思う。そんな壊れた人と巡り合って結婚してしまった悲劇。理解されない悲劇。同じ境遇だった今は強く素敵なおばあさまの存在と言葉が胸にしみました…!
石田さんはハッピーエンドがあまりないと言ってましたが、かなりいいラストばかりです。特に中年女性には身につまされる、そして希望と勇気も持たせてくれるおはなしがいっぱいです。
★★★☆☆
にほんブログ村
|∀`)ノ.。oO(ありがとうございます)
☆参加してるトラコミュ
本・感想・評論・レビュー |
今日の読書日記 |
書物、書籍、本 |
長編小説、ノベルシリーズ |
ミステリ・サスペンス・推理小説全般 |
読書好き集まれ~ |
読書感想文 |
スポンサーリンク
☆参考にしてるトラコミュ
オリジナル小説発表 |
創作家の自分記録 |
自分らしく気まま生活! |
イラスト日記 |