男性の描く女性だけあって・・・ 宮本輝「東の月光」
月光の東 | |
宮本 輝 中央公論社 1998-02 売り上げランキング : 503072 おすすめ平均 日は沈み、月は昇る。そしてまた・・・。 月光の東・・・心のよりどころ なぞの女性。 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容・私の結婚式の当日、奇妙な電報が届きました。"ワタシヲオイカケテ"。まさかとは思いながら、私の頭には、中学一年の秋に転校して以来消息の途絶えた、塔屋米花の名が浮かびました。凛冽な一人の女と彼女を愛した男達の末路。
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「私」は夢中で米花を捜し、「私」の友人は米花のために死まで捧げる。美人で奔放で、パトロンを持ち仕事にも打ち込み、歳をとってもなお男を惹きつけ続ける米花。同姓としては厚かましく腹立たしく、嫉妬する存在です。
気持ちは自然と米花に敵対してしまって、米花のために自殺してしまった夫を持つ女性に寄り添ってしまいます。多分女性なら皆そうかと(笑)男性が描いた女性だけあってかなり虚構もありますし。ただ、彼女の過去が明らかになってくると、幼い頃から周りから奇異な目で見られ続けたトラウマが攻撃的で自己顕示欲の強いところを作っているのかな、とちょっと同情的になりました。
未亡人になったその女性は日記を書き、父を自殺で亡くして精神的に病んでしまった息子とともにカウンセリングを受けて回復してゆきます。その時先生が息子に言った言葉がこれからの自分にも役に立ちそう。落ち込んだとき、「~な自分が好き」と、いくつも挙げるのだそうだ。自分がまず自分を好きになってあげなくちゃね。
「米花とはどんな女性で今何をしてるのか?」「東の月光とは何か?」が本筋。彼女は男達の間で凛としてる姿に語られ続け、なんだか男性の女神的存在で謎のまま。そして中東やヨーロッパから眺める東は豊かで憧れの地。(日本がジパングと言われたり中国に桃源郷があったりシャングリラがあったり…)東の月光とは幸せの象徴だったのでしょうね。
米花が昔2日間さらわれた時に父といっしょに見た綺麗な月。そしていつも彼女のココロの中にあった東の月光。たくさんの男に夢中になられ、バリバリ仕事をこなす彼女は、本当は、もっと平和な平凡な幸せを求めていたのではないかなあと思いました。
★★★☆☆
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