過去やドラマや心情の描き具合でクライマックスの感動が違ってくる「さよならの空」　朱川湊人

さよならの空 (角川文庫)
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	朱川湊人おすすめ平均ちょっと物足りなさもあり朱川さんらしくない切り口いい作品ですもっと深く掘り下げていい作品だったはず。きっと誰の心にも夕焼けはある。 Amazonで詳しく見る by G-Tools

内容（「BOOK」データベースより）拡大を続けるオゾンホールを食い止めるため、化学物質ウェアジゾンが開発された。しかし、それは思わぬ副作用をもたらすことに。散布した空で夕焼けの色が消えてしまうのだ。開発者のテレサは八十数歳のアメリカ人女性科学者。テレサは胸の奥に秘めたある想いを達するため日本へ向った。日本に着いたテレサは小学校三年生のトモルとキャラメルボーイと名乗る若者と数奇な運命で巡り合い、最後の夕焼けのポイントへと向う。オール読物推理小説新人賞、日本ホラー小説大賞短編賞を受賞。彗星の如く現れた小説界の大本命・朱川湊人が贈る現代の寓話。

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出会う人出会う人にテレサがつけるニックネームが楽しみでした（笑）相変わらずアイデアがいいですね！ほんとにこの先副作用の出ないウェアジゾンなんてものが開発されればいいのに。（ちょっと似たことはこの前テレビでも紹介してたけど･･･でも自称夕焼け評論家としては夕焼けが見られなくなるのは、とてつもなく残念。感動できる元がひとつがなくなってしまう）　

主人公から端役までの人々の過去やドラマや心情がよく描かれてよかったです。よくあるパニック映画でもこの辺がちゃんとしてるかどうかで最後のクライマックスの感動が違ってきますもんね！重要なところです。

失われる夕焼けそのものがノスタルジックで、それにかけるように場面もいちいち情緒豊かでよかったです。最後の夕焼けの時の奇跡のシーンもありがちでいながら感動できたのは細かい描写があったからだろうなあ。

朱川湊人のホラーっぽいのも面白くていいけれど、叙情的なところの方が好きだなー。

★★★☆☆

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