五つ星をさがして

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荻原浩「千年樹」 もうひとりの荻原浩。どんな人も今が有り難く思えます。

千年樹 千年樹
荻原 浩

さよなら、そしてこんにちは (光文社文庫) 四度目の氷河期 (新潮文庫) 押入れのちよ (新潮文庫) あの日にドライブ (光文社文庫) ちょいな人々 (文春文庫)
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出版社/著者からの内容紹介 木はすべてを見ていた。 ある町に、千年の時を生き続ける一本のくすの巨樹があった。千年という長い時間を生き続ける一本の巨樹の生と、その脇で繰り返される人間達の生と死のドラマが、時代を超えて交錯する。 *★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*

平安時代に飢えて死んだ子が持っていた実から生まれたくすの木が、切られる日までの出来事を短編オムニバスで語る。  

現代と千年の間の過去を行き来しながら。あらゆる時代、人間の喜怒哀楽を見てきたくすの木。  

現代はやっぱりおおむね平和で幸せなのね。このくすの木の別名は「ことりの木」(子盗りの木)といかにも恐ろしげ。無念に死んでしまった乳飲み子と両親の思いが不幸を呼び寄せているよう。  

どの短編での過去も悲惨です。飢えて死ぬ子、空襲の中逃げて来たのに木を離れて燃えてしまう子(木が声を発して)、せっかく生まれた赤ん坊を間引きしなければならない嫁、野武士に襲われる村。  

バアバの石段だけ唯一ほのぼのとした過去。木がなくなる時飢えて死んだ座敷わらしみたいな子も両親といっしょに成仏できるといいんだけれど。

 生きることを楽しめる今の自分のいかに平和で幸せなのか、神妙な気持ちになりました。ありがたく感謝しつつ毎日を過ごしたいです。 ★★★★☆


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