五つ星をさがして

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坂東眞砂子「パライゾの寺」飼猫さんは、子猫を捨てた坂東さんを絶対に許さないと思う。

パライゾの寺 (文春文庫)
パライゾの寺 (文春文庫) 坂東 眞砂子

文藝春秋 2010-04-09
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内容(「BOOK」データベースより) 明治2年、長崎・浦上村の隠れ切支丹たちが土佐の漁村・天浜へ流罪となった。志操堅固な信徒たちに手を焼く村の顔役たちは、遊郭の女郎たちをけしかけて戒律を破らせ、棄教に追い込もうとする。表題作など、宮本常一とおぼしき民俗学者が採集した回顧譚の体裁で語られる、濃密なエロスとグロテスクな哄笑に満ちた7つの物語。

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あまり好きではない作家さんだが、55歳の若さで亡くなられたのでもう一冊、と読んでみた。  

四国の(土佐の)遠野物語的な短編集。幸せな話は皆無で人間の性と辛い系の話。「お接待」には特にぞっとした。「不幸な声」のほうが、長く人に語られ続けるもんね。人間のやりきれなさばかり。  

飼い猫が交尾し子供を産む幸せは奪わないが、産んだ子猫は飼えないので奪って捨てるという、考え方をする坂東さんもあまり幸せじゃなかったんじゃないかな。人間だけじゃなく、すべての生き物は、子孫を残す権利があると思うけどな。飼猫さんは、絶対に坂東さんを許さないと思う。  

どろどろしつつも最後まで読ませてくれるので。★★★☆☆





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