窪美澄「ふがいない僕は空を見た」赴任、性癖、貧困、家族、世間、友達、愛。戦うのも守るのも容易でないから、ときどき彼らは混乱して戦うものと守るべきものを間違えもする
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内容(「BOOK」データベースより) 高校一年の斉藤くんは、年上の主婦と週に何度かセックスしている。やがて、彼女への気持ちが性欲だけではなくなってきたことに気づくのだが―。姑に不妊治療をせまられる女性。ぼけた祖母と二人で暮らす高校生。助産院を営みながら、女手一つで息子を育てる母親。それぞれが抱える生きることの痛みと喜びを鮮やかに写し取った連作長編。R‐18文学賞大賞、山本周五郎賞W受賞作。
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「ふがいない僕は空を見た」「ミクマリ」「世界ヲ覆フ蜘蛛ノ糸」「2035オーガズム」「セイタカアワダチソウの空」「花粉・受粉」
蛇足だ、五つで完結しているのにいらないとレビューで言われている「花粉・受粉」が一番しっくりきた。考えたら、自分とほぼ変わらない年の齋藤の母が主人公だからだな。
大体、作者窪さんは、私の2歳上で同年輩なのだから、もっと共感できる小説書いてくれそうなんだけど。背伸び(?(笑))して高校生(しかも15歳!)を主人公に書いているので無理が出てしまう。
窪さんは、短大を中退後、様々なバイトの後、広告の会社へ入り、出産後はフリーライターになったという、大変社会経験豊富な方なので、色々な女性を書けそうです。
なのになぜ、15歳男子を主人公にエログロ描写ありすぎの「ミクマリ」を書いたのか。ほぼファンタジー領域になるからか?(私にとってもう高校生以前の記憶は遠すぎて、ファンタジーです~)
その事件によって広がる周りの人を巻き込む様子を書きたいのは理解できるけど。
「こんな本はそうない」「本の雑誌が選ぶ一位」「唯川恵、山本文緒が驚嘆!」「各紙で絶賛!」てほどの本ではない。
「赴任、性癖、貧困、家族、世間、友達、愛。戦うのも守るのも容易でないから、ときどき彼らは混乱して戦うものと守るべきものを間違えもする。その滑稽さと幼さと愛しさ。この小説が描くのは生きてゆくことへの周到的な肯定である。」
↑井上荒野の文章いい。(男子ならこうやと読んでカッコイイ。でも女子なので「あれの」なのだそう)
井上荒野の小説はいつも分かりにくいが、この文章はいい。
色んな世代の人が、色んな境遇で、苦しみ頑張ってるんだな、というのがわかっていい小説かもしれない。
でも本当は、いい環境でぬるま湯の中にいる、全く苦しんでない人達もたくさんいるので、それも描いたほうがより苦しみ悲しみ(それ故の幸せ)が引き立つかもね!
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U^ェ^U 去年から年賀状やめたので、心が軽い年末です。大掃除もやりません!水場の掃除が苦じゃなくなる初夏に大掃除しまーす。