五つ星をさがして

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カズオ イシグロ 「日の名残り」イギリスの丘の続く美しい風景≒品格と偉大、イギリスの紳士淑女≒品格と偉大、イギリスの執事≒品格と偉大、が、終わりの来るものもある。

日の名残り

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日の名残り (ハヤカワepi文庫) [ カズオ・イシグロ ]


内容紹介(「BOOK」データベースより)

ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々-過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞ブッカー賞受賞作。

★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*

イギリスの丘の続く美しい風景≒品格と偉大、イギリスの紳士淑女≒品格と偉大、イギリスの執事≒品格と偉大、が、終わりの来るものもある。
夕方は素晴らしい時間。人生の夕方も然り。



初2017年ノーベル文学賞とったカズオ・イシグロ!「私をはなさないで」はドラマと映画見ました。

イギリス西部へ、20年前に結婚退職したミス・ケイトンに会う予定込で、ドライブ旅行へ出ます。(現ご主人様の懇意で)その間に様々な過去を思い出し感慨に耽る主人公の老執事スティーブンス。

偉大な執事には品格が必要という主人公の信念。更に品格とは生まれながらのものもあるものの、努力でも手に入るものという考えのスティーンブス。

偉大な執事の歴史・・・仲間の執事たち、愚かな執事、様々紹介してくれる。

そして、偉大で品格のあるものとして、執事の他に、彼らが仕えるご主人さまたち(車輪の中心)、イギリスの風景、古き良きイギリス。

まずは丘が連なるイギリスの美しい風景。(私もカレンダーで見たことあるウェブでも)アメリカやアフリカの雄大大自然景観も素晴らしいが、装飾的でドラマチックすぎると、むしろその品格や偉大さは損なわれるという持論。

次に偉大な執事のひとりの父。
父が好んで聴かせた、インドの召使いだけを使いテーブルの下にトラがいても動じず職務全うした執事の話。
そして同じように動じず、酔っ払った雇い主の友人に尊厳を保ちつつお客様へお服従もする難しい対応で全
うした父のエピソード、良かった。ちなみに偉大な執事はイギリスにしかいないそうだ。なぜなあイギリス民族は大陸の諸民族と違って感情の抑制がきくから。
・・・島国の日本人も抑制聞く人おおそうだけどね。

そして、テストに出そうな場面!老いた父がダーリントンホールへ来て失敗したシーンと、倒れてしまった東屋の手前の階段を何度も検証するシーン。その坂にはまだ日が照っていた。題名を暗示してますねの後も偉大な執事だった父は前向きに努力して副執事役を努めます。(お盆禁止されたのでワゴンにあれこれ載せて動き回る)

そして、主人公スティーブンスにも偉大で品格のある執事であれた日があった。
それは、偉大な主人ダーリリントン卿がフランスのデュポンとともにヨーロッパの品格を見せつけアメリカのルーイスをぎゃふんと言わせた最後の晩餐会。
皮肉にも父の最後の日でもあった。大事なよるに執事の仕事を全うできて喜んでるであろう父。ただ、「私はよい父親であったか?」に「良い父親で最高の執事でした」と言ってあげていたら最高だったのにな。惜しい!!

人類を向上させる偉大な紳士のひとりダーリントン卿にも様々な葛藤があった。けれど国家の大問題は車輪中心の紳士淑女に任せ、自分の両分に全力を集中するスティーブンス。後に(ラスト近く)自分の行いを葛藤します、執事としては最高でも人として品格があったのか・・・・

そしてスティーブンスには更に偉大な執事になれた人間的にも試練の夜があった!(ドイツ大使とチャーチル首相を呼んだ夜)(ミス・ケントンは婚約者に会いに行き結婚を決めた夜)
「あの夜の私を羨まぬ執事がどこにおりましょうか」

村人に勧められイギリスの丘の連なりを見たり、亀を轢かず助けて感謝されたり、親切な下僕兼執事にさりげない嘘をついたり(ダーリントンと無関係と)、ガス欠で寄った村で執事と言いそびれ大変な目にあったり、やっとミス・ケントンと再開。
様々なシーンで20年前のミスケントンを見てきたので、読んでる私もすっかり懐かしい気分に。

背筋ピンとスラリとした体型で美しく老いたケントン。時に爆発しそうなほど多感な人間にしていた内面のきらめきが今は感じられず。
そしてずっと怪しんできたロマンスはやはりあった・・・
結婚や女中頭をやめて出て行くことは、ただスティーブンスを困らせる計略の一つくらいと考えていたのでした〜
「もっとよりよい人生があったのではと考えると惨めになって家出を3度ほど。
あなたと一緒の人生を考えると。」

「あなたと一緒の人生」って結婚してもいいけれど、執事と女中頭として切磋琢磨して歳取ってゆく人生も素敵ですね!!

主人公が老年の執事で「ございます」調で感情移入しにくかったが、流石に最後にはできたわー自身も色々な日の名残りを見てきて、ついに自分にもその夕暮れが来た、その時。
旅行最終日桟橋の夕日を見ながら初老の男が言ってくれた「夕方は一番いい時間なんだ(人生の夕方もねー)前を向き続けなきゃいかん」
偉大な執事だった父も最後の最後までワゴンを押して頑張ってたね。
自分でミスケントンにも引退後の夫婦が花と言ってたね。ケントンも孫の誕生を楽しみに前を向いて行くでしょう。
現在のドライブを勧めてくれた心優しいアメリカ人のご主人さまにイギリスの誇る最高のサービスにプラスジョークに磨きをかけて提供すべく、前を向いて生きていくスティーンブス!がんばれ!


 

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