三浦しをん「天国旅行」焼いたらきっと恋の矢が出てくるだろうから探してごらん。砕いてきれいな首飾りにしても、夜空へほおって星を増やしても、失われたきみの歯のかわりにうめこんでも好きに使ってかまわない
天国旅行 | |
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内容(「BOOK」データベースより) そこへ行けば、救われるのか。富士の樹海に現れた男の導き、死んだ彼女と暮らす若者の迷い、命懸けで結ばれた相手への遺言、前世を信じる女の黒い夢、一家心中で生き残った男の記憶…光と望みを探る七つの傑作短篇。
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怖かったりグロかったり。女性の描くもののほうが怖い。心理面でもグロさでも。血を見慣れてるからかしら。精神戦も、女子グループで揉まれて、小学校高学年から延々鍛えられてるし。
生きる希望が湧いてくる終わり方と救いのないものと色々。一番後味が悪かったのが前世の夢を現在と並行に見続けている女の子の話。これは救いがない。救いがない最後も可哀想だけど、夢で大人なので知ってる初潮の処理を気持ち悪く見る、お母さんとのエピソードが哀しい。
遺言の最後の文章がとても素敵。思わず写してしまった。「焼いたらきっと(略)の恋の矢が出てくるだろうから(略)探してごらん。」「砕いてきれいな首飾りにしても、夜空へほおって星を増やしても、失われたきみの歯のかわりにうめこんでも好きに使ってかまわない」メルヘン!えげつない描写も描くけれど、こんなロマンチックなのも描いてくれるとは。ここだけで私的に四つ星(笑)まあ樹海と遺言と初盆もよかったし。 最初の引用、イエローモンキーの「天国旅行・せまいベッドの列車で天国旅行に行くんだよ 汚れた心とこの世にさよなら」もよかった。 ★★★★☆
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