五つ星をさがして

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小野不由美「屍鬼」 外の世界を夢見る少年少女たち

屍鬼〈上〉
屍鬼〈上〉 小野 不由美

新潮社 1998-09
売り上げランキング : 367619

おすすめ平均 star
star長編映画を観ているような気分で読みました。
star人間的な感情を持ったバンパイア“屍鬼
star圧倒的

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屍鬼〈下〉
屍鬼〈下〉 小野 不由美

新潮社 1998-09
売り上げランキング : 341218

おすすめ平均 star
star人間的な感情を持ったバンパイア“屍鬼
star浸りきれない感傷.
starこれぞジャパニーズホラー小説の金字塔

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*内容*尋常でないなにかが起こっている-。忍び寄る死者の群。息を潜め、闇を窺う村人たち。恐怖と疑心が頂点に達した時、血と炎に染められた凄惨な夜の幕が開く…。  

*★*――――――――――*★**★*――――――――――*★*

けっこう前に上下段の分厚いハードカバーで読んだのですが…長いけれど勢いが乗ってくれば最後まで一気に読めます。もうちょっと削れただろう印象だけど。日本ならではの横溝正史的閉鎖された村で起こるおどろおどろしいバンパイヤの話。日本の怪奇ものって海外のものよりずっと怖いですよね~。  

屍鬼側の感情が書かれるまでは不気味な存在で恐怖を存分にあおってくれましたが、後半は屍鬼側が主体となるので怖さは半減、屍鬼の宿命と悲哀が押し出される。

やっぱり一番怖いのは人間ですね。恐怖のパニックに陥ってるとしても次々と木の杭を打ち込んでゆく。細いトンネルに何人もの屍鬼が逃げ込んで、後ろのほうから足を引っ張られて表に出されなぶり殺しになってゆくシーンが一番怖かったです。ああいう狭い場所で追い詰められるシーンは閉所恐怖症の私にとっては何より怖いです;娘も同じだそう。パニックになりそうになる(泣)

そうそう、閉ざされた村という設定だけでもう私には怖いのです。国道を見て外を夢見る少年少女たちが本当に気の毒。とうとう生きて出られず・・・(涙)   

スティーヴン・キングの「呪われた町」というのが同じような話だそうですが、(1ページ目にちゃんと題名が載ってるそうです)読んだことないので「ペットセメタリー」思い出しました。あれも切ない。自分の一番大切な人にはどんな形になっても生き返ってほしいという切ない願いを踏みにじる展開が絶望的・・・

★★★☆☆ 





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