恒川光太郎「雷の季節の終わりに」一目惚れの恒川氏でも更に一番面白かった話。
雷の季節の終わりに | |
角川書店 2006-11 売り上げランキング : 127687 おすすめ平均 恒川ワールド最高! 幻想的ファンタジー。 風わいわいに誘われて Amazonで詳しく見る by G-Tools |
内容(「BOOK」データベースより) 現世から隠れて存在する小さな町・穏で暮らす少年・賢也。彼にはかつて一緒に暮らしていた姉がいた。しかし、姉はある年の雷の季節に行方不明になってしまう。姉の失踪と同時に、賢也は「風わいわい」という物の怪に取り憑かれる。風わいわいは姉を失った賢也を励ましてくれたが、穏では「風わいわい憑き」は忌み嫌われるため、賢也はその存在を隠し続けていた。賢也の穏での生活は、突然に断ち切られる。ある秘密を知ってしまった賢也は、穏を追われる羽目になったのだ。風わいわいと共に穏を出た賢也を待ち受けていたものは―?透明感あふれる筆致と、読者の魂をつかむ圧倒的な描写力。『夜市』で第12回日本ホラー小説大賞を受賞した恒川光太郎、待望の受賞第一作。
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「草祭」で一目惚れ(?)した恒川光太郎。朱川湊人を読んだ時以来のわくわく感。また面白い作家に出会ったとほくほくです。その恒川さんのお話の中でも一番面白かったのがこれ。(「夜市」の中の「風回廊」と並んで)
前半は完璧なファンタジー。素敵な要素のつまった世界観。ファンタジーなのに、ちょっと間違って足を踏み入れてしまいそうなリアル感。文章も流れるようで上手ですね。私はそんなに文章にこだわらないのですが、どうしてもぶつぶつっと切れて読みにくい作家の方とかいますもんね。小学生の作文のようなつながりが出来てない作家は論外として(笑)
レヴューでも言われてた通り、後半は急ぎ足に、そして現実世界を舞台にしてちょっとえげつない展開になるので、ちょっと残念ですね。それでも「そうだったんだ…!」とまるく正しく収まって大充実の読後感でした。
前半「穏」でのつかの間の平和を象徴するような子供だけの世界が幸せ感あふれています。ボーイッシュなナギとの淡い恋までもいかない(まだただの照れかも)関係なんか特に。後でじーんとさせてくれます。★★★★☆
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