朝井リョウ「少女は卒業しない」甘酸っぱい気持ちをちょこっとだけ疑似体験できました。
少女は卒業しない (集英社文芸単行本) | |
朝井リョウ 集英社 2012-03-10 売り上げランキング : 9261 Amazonで詳しく見るby G-Tools |
内容(「BOOK」データベースより) 今日、わたしはさよならする。図書室の先生と。退学してしまった幼馴染と。生徒会の先輩と。部内公認で付き合ってるアイツと。放課後の音楽室と。ただひとり心許せる友達と。そして、ずっと抱えてきたこの想いと―。廃校が決まった地方の高校、最後の卒業式。少女たちが迎える、7つの別れと旅立ちの物語。恋愛、友情、将来の夢、後悔、成長、希望―。青春のすべてを詰め込んだ、珠玉の連作短編集。
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朝井リョウ、絶対若い女性だと思ってたんだけどなあ。まるで私が20の時、北村薫の女の子が謎に巻き込まれる小説を読み、女性だ!と思いこんでいたように。すごく瑞々しくていい表現がたくさん。
「先生の傘は晴れた日の青空のかけらで作ったみたいだった」とか「つぼみはまだ開いてない。中には~中略~ローファーのかかとを初めて踏む時の決意だとか、危なっかしくって甘酸っぱいものがたくさんつまってる。だからまだ開かない」「卒業を惜しむ女の子の声が聞こえてくる。春のアスファルトはいつもより足音を美しく響かせるみたいだった」とか「水面に映った空の雲も、もう過ぎてしまった冬も、私が制服を着た高校生だったことも、春の川に溶けてとこかへ流れていってしまう」「そこでチャイムが鳴った。不意だった。空から一音一音、落ちてきたみたいだった。きれいな音だと思った」とか。うーん乙女ちっく。心洗われるわ。
卒業式の日の短編連作。幽霊棟など関連もあって面白い。卒業式の日の7つの短編連作、一話目は一番の表現秀逸!最終話は、きゅんきゅんの後、涙涙の展開。やりきれないが、後味はいい。それ以外はもう高校生活オタクだった、青春に実感のない私にはまるで遠くで煌く少年少女の恋愛漫画のようでした・・・・ああ、もうこういう世界はファンタジーの域に達してます。もっと青春したかったなあ。恋したり悩んだり。・・・でも毎日本屋めぐりして映画観て、漫画描いて楽しかったんだ~高校時代。自己完結で楽しかった(とほほ)
綺麗な夢を見せてくれてありがとう。甘酸っぱい気持ちをちょこっとだけ疑似体験できました。 ★★★★☆
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